退職金を財産分与に含めることができるかどうかは、退職金がすでに支払われているか、今後支払われる予定であるかによって変わってきます。すでに会社から支払われた退職金については、夫婦の協力によって得た財産と考え、財産分与の対象となります。しかしこの場合、共有財産とみなされるのは、婚姻期間に対応する金額部分だけです。
たとえば、婚姻期間が30年で妻がずっと専業主婦であり、夫の勤務年数が40年で退職金を2,000万受け取った場合は、2,000万円÷勤務年数40年×婚姻期間30年=1,500万円となり、財産分与の割合が一般的な1/2であれば、妻は750万円を退職金からの分与として受け取ることができます。
退職金の支払いがまだの場合は、定年退職が間近であれば財産分与の対象に含めるのが一般的ですが、定年退職がまだかなり先で退職金についてももらえるかどうか不確実な場合は、財産分与の対象とならないことがあります。